皆さまいかがお過ごしでしょうか。歌乃です。
ちょっとした画像の修正や加工に、Paint 3D というアプリを使っていました。Microsoft 公式で windows 10 に標準搭載されたアプリだったのですが、残念なことに2024年の11月に廃止になってしまい、とうとう起動も再インストールもできなくなってしまいました。(´;ω;`)
気軽に使えるお絵かきアプリとしては windows 標準の paint がありますが、微妙に使いにくいんですよね(´・ω・`)
ということでそこそこ高機能で手軽に使える paint アプリはないものかと探していたところ、Krita に出会いました。
筆者の環境は windows 10 です。
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Krita(クリータ、クリタ[3])は、オープンソースソフトウェアとして開発されているペイントソフトである。
KDEプロジェクトに所属するKDEプログラムであり、KDE Frameworksを搭載したUnix系オペレーティングシステム (OS) での動作を前提とするが、Windowsなど他のOSにも対応している。GPLライセンスで配布される自由ソフトウェアであるが、有料版も販売されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アプリの詳細は wiki に譲るとして、ここでは Krita を選んだ理由の一つである 画像生成機能 (Krita AI Diffusion) に関して書きたいと思います。
Krita で画像生成機能を使えるようにするまでの手順です。
まずは Krita 本体が必要なのでインストールします。
公式サイトからwindows用インストーラーをDLしてインストールしてください。
起動時に言語の選択がありますが English を選んでください。
あとはインストーラーに従っていけばインストール完了すると思います。
Krita AI Diffusion のサイトからプラグインのダウンロード先 (github) に移動して、プラグインの圧縮ファイル (zip) をダウンロードします。
https://github.com/Acly/krita-ai-diffusion/releases/tag/v1.35.0
2025年6月現在 バージョンは1.35.0。
ダウンロード後、zip ファイルは解凍せず、わかりやすい場所に保存しておいてください。
Krita を起動します。
メインメニューから「ツール」>「スクリプト」>「python プラグインをファイルからインポート...」を選択します。
ファイル選択ダイアログが開くので、先ほど保存しておいた「Krita AI Diffusion」プラグインの zip ファイルを選択します。
プラグインのインポートが完了するとダイアログが表示されるので「はい」を選択して Krite を再起動 (一度 Krita を終了させて、もう一度起動) します。
Krita を起動して、メインメニューから「設定」>「Krita の設定を変更」を選択します。
「Krita の設定」ダイアログが表示されるので、左側のカテゴリから「python プラグインマネージャ」を選択し、右側に表示されるプラグイン一覧に「AI Image Diffusion」がリストされてチェックマークがついていればプラグインは有効化されています。
プラグインリストに「AI Image Diffusion」が無いようであればインポートに失敗しているのでもう一度インポートしなおしてみてください。
リストに表示されていて、チェックマークがついてないのであればインポートは完了しているけれど有効化されていない状態なので「AI Image Diffusion」をクリックして有効化(チェックマークが付いた)状態にしましょう。
プラグインがインポート出来たら編集画面で「AI Image Diffusion」を使えるようにしていきます。
インポートしただけでは「AI Image Diffusion」はパネルに表示されません。
まずはなにか画像を開いて編集画面に入ります (メインメニューの「ファイル」>「新しいドキュメント」でもOK)。
メインメニューの「設定」>「ドッキングパネルを表示」にチェックが入っている (編集画面の左側にいろいろなパネルが表示されている) 事を確認します。
メインメニューの「設定」>「ドッキングパネル」>「AI Image Generation」にチェックを入れます (クリックします)。
編集画面左側のドッキングパネルに「AI Image Generation」パネルが表示されます。
パネルのタイトル部分をつかめば (マウスドラッグすれば) 移動できるので、使いやすい場所 (一番上など) に移動しましょう。
「AI Image Diffusion」プラグインはそれ自体で画像生成ができるわけではなく、バックエンドサーバーとして「ComfyUI」というAIフレームワークを利用します。
プラグインから生成の指示を出して、実際の画像生成勝利は、裏で ComfyUI がおこなうわけですね。
ComfyUI 自体は画像生成界隈ではそれなりにメジャーなワークフレームなので聞いたことがある人も居るかもしれません。
聞いたことがない人でも大丈夫です。プラグインにバックエンドサーバーのインストール機能が付いていますので、そちらを使用してインストールがおこなえます。
プラグインパネルの「Configure」ボタンを押します。
「Configure Image Diffusion」 ダイアログが表示されるので、設定をおこないます。
左側のカテゴリから「Connection」を選択して「Server Configuration」を表示させます。
「Local Managed Server」を選択します。
Server Path 入力欄の下にGPU関連の選択項目があるので、ご自分の環境に合ったものを選択してください。
NVIDIA 製のグラボを使用している方は「Use CUDA (NVIDIA GPU)」
よくわからない場合は「Run on CPU」を選んでおけばOKです。
その他の項目は、初期状態でOKです (サーバーインストール後にも変更できます。時間が出来たら詳細をレビューするかも)。
初期状態では SDXL モデルがインストールされます。
Install ボタンを押してインストールを実行します。
ComfyUI サーバー構築に必要なパッケージ、なかでも画像生成modelファイルは数GB~数十GBほどもあるのでインストール(のためのダウンロード)には結構時間がかかります。
終了までのんびりと待ちましょう (`・ω・´)
緑の文字で「Server running - Connected」と表示されれば、成功です。
ダイアログを閉じて編集画面に戻りましょう。
「AI Image generation」 パネルの上部には、画像スタイルの選択ドロップダウンリストがあります。
ここでは「Digital Artwork (XL)」スタイルを選択します。
スタイルは使用するモデルや生成する画像に合わせて、設定ダイアログの「Styles」カテゴリから追加・編集することができます。
prompt 入力欄に生成したい画像の特徴を入力します。prompt は所謂 AI への指示文・説明文のようなものです。
ここでは「a girl」と入力します。
prompt には基本的に英語で指示を与えます。日本語に対応した (日本語を学習して理解できる) 生成モデルであれば日本語での入力も可能ですが、ほとんどみかけません( ;∀;)
「Generate」ボタンを押して画像が生成されるのを待ちます。
初回生成時は 生成モデルファイルを読み込むため時間がかかります。モデルファイルの容量にもよりますが1~5分程度かかります。
「Generate」ボタンの横の▼ボタンを押すと生成時の設定を変更することができます。
設定には以下のような項目があります。
生成された画像は prompt の下にサムネイルで表示されます。サムネイルにフォーカスすると編集画面でプレビューできるので、確認してOKであれば、サムネイル上のチェックマークをクリックすればlayerとして保存されます。
必要ない画像はサムネイル上で右クリックするか「…」マークをクリックして「Discard Image」で削除できます。
画像 (layer) の一部を範囲選択してから、生成することで、選択部分のみを生成することができます。
一部分を修正または加筆したい場合に便利です。
この場合も、Batches で複数画像を生成することで、良い感じの結果を選んで layer に追加することができます。
応用に関しては、公式の Youtube 動画でも確認できます (とても分かりやすく解説してくれてます)。
初回生成時に以下のようなエラーが出た場合、画像生成 model のダウンロードに失敗している可能性があります。
その場合は、再度設定画面を開いて (パネルの右上のギアのアイコンをクリック) 、Connection カテゴリを表示させ、Server Path の下にある「Manage」ドロップダウンから「Verify」を選択します。
プラグインファイルのチェックが実行され、異常があれば修正 (再ダウンロード) してくれます。
再ダウンロード完了後、ComfyUI サーバーが停止していれば「Launch」ボタンでサーバーを起動してください。
いろいろな場面でこういった自動生成技術 (いわゆる AI) が一般レベルで利用可能になってきましたね。
AI も所詮は道具なので上手に使いこなして作業の効率化を図っていきたいですね (`・ω・´)
Last edited: 2025-06-17 04:47