皆様いかがお過ごしでしょうか。歌乃です。

Server application (主に LLM、MLM 関連) マネージャーとして pinokio を利用しています。

以前 Stability Matrix を利用していたのですが、あちらは画像生成ワークフレームが主で、その他のワークフレーム (動画や音声、テキスト生成など) は見かけません。

ComfyUI を使えば、動くものもありますが (むしろ大抵のものは動く)、やはり、専用のワークフレームの方がなにかと都合がいいのも事実です。

ということで pinokio に乗り換えて使い倒していたのですが、python 関連の断捨離を決行したところ、問題が発生 (発覚) しました。

※いつものごとく九割方、戯言で構成されています。


Python の アンインストール

メインで使っていた、python 3.12 は 2025年4月2日 でセキュリティサポートになっています。

windows パッケージ版の最終リリースは 3.12.10 ですが、脆弱性修正版の 3.12.11 がリリースされています。

しかーし、3.12 はセキュリティサポートに移行しているためパッケージ版はリリースされず、ソースのみの提供になります。

つまり「修正はしたけど、使いたい人は自分でコンパイルしてね」という事です。

いちおう、コンパイルして使っていましたよ? でもね、やっぱりいろいろと不都合が起きるんです。設定メンドクサイ(-_-)

これはもう「 You! 3.13 に移行しちゃいな YO!」という神の声だと気付いたわけです。

そうして、天啓を受けた私は、PC 内の Python を一掃するべく、天敵を見つけたマングースのように、すべての python を駆逐して廻りました。

私の環境には、python 3.9、3.10、3.11、3.12、3.13、anaconda、miniconda、が共存しているという「蛇の楽園」のようなありさまでした。

私は全てをアンインストールしてやりました。使っているアプリケーションは大抵仮想環境内に python を内包していて、global 環境に蛇を飼っていなくても動くと思っていたからです。


そして問題は発生した

python が使えなくなりました。

いや、アンインストールしたので、これは当たり前ですね ( ゚Д゚)

最新版 (2025/09/01時点) の 3.13.7 をインストールしましたが、python コマンドが通りません。

この程度のトラブルは日常茶飯事なので、すぐに環境変数の設定かな? と当たりを付けました。


環境変数の設定

windows に限らず、いろいろな OS で環境変数という設定が使われています。ようは OS に「~~する時はここを参照してね、~~の値はこれを使ってね」といった基本動作を円滑にするための設定集のようなものがある、という事です。

python の場合は python.exe のあるディレクトリと、その配下にある ./Scripts ディレクトリを環境変数「path」に追加するか、「PYTHONPATH」という環境変数を新たに追加して、それの値として、python.exe のあるディレクトリを設定すれば OK です。

py.exe (パイソン公式ランチャー) は通常、windows ディレクトリ配下にインストールされるので、環境変数に指定しなくても認識されます ( windows ディレクトリがシステムディレクトリとして環境変数に設定されているため)。

ちなみに複数バージョンの python がある場合 py.exe で切り替えができますが、py.exe の基本動作を設定する py.ini ファイルでも動作を制御できます。py,ini は py.exe と同じ( windows )ディレクトリ、もしくは 「%LOCALAPPDATA%」(例、C:\Users[ユーザー名]\AppData\Local ) 配下に配置されています。

環境変数を設定したことで、python コマンドは問題なく使えるようになりました。


pinokio に問題発生

さてここからが本題です ( 前置きが長すぎる )。

いつもどおり pinokio から SwarmUI (画像生成ワークフレーム) を起動しようとしたところ、 以下の画面が。

pinokio_issue01

なんじゃこりゃ? 初期化されとるやん。

pinokio 自体は動きますが、インストールしたワークフレームの起動には問題があるようです。

ただし、ワークフレーム自体には問題はなく、pinokio を通さずに、直接 bat ファイル等を指定してワークフレームを起動すれば、問題なく使用できます。

データフォルダは残っているので、生成した画像や、DLしたモデルなどは無事です。

つまり、pinokio の動作に必要なライブラリのみが消えている状態のようです。


原因は miniconda のアンインストール

起動画面の必要条件を見ればわかる通り、conda (miniconda) がインストールされていないことになっています。

python のアンインストール時に pinokio が使用していた miniconda を消してしまったのが原因のようです。

ということで、インストールしなおしてみました。

特に難しいことはなく、Installation required 画面に表示される install をポチるだけです。

が、なぜか、インストールが正常に進まず、無限ループのような状態に陥りました。

具体的には miniconda や py はインストールされますが、一部のパッケージ (git など) がインストールされず、再インストールが繰り返される状態です。


問題解決までおこなった事

  1. 別のワークフレームをインストールしてみる。
     使用しているワークフレーム固有の問題かもしれないので。> [c:red] 同様 [/c]
  2. 別バージョンの Python をインストールしてみる。
     miniconda の 3.10 を使用しているようなので、global に 3.10 を入れてみる > [c:red] 変化なし [/c]
     アンインストール前に入っていた 3.12 を入れてみる > [c:red] 変化なし [/c]
  3. anaconda をインストールしてみる。
     miniconda ではなくフルパッケージの anaconda を global にインストールしてみる。これもアンインストール前に入っていたので。> [c:red] 変化なし [/c]
  4. 別バージョンの pinokio をインストールしてみる。
     お約束のダウングレード。3.9.0から3.8.0に戻す。> [c:red] 変化なし [/c]
  5. 手動で miniconda の最新版を入れてみる。
     起動画面が表示されなくなった。> [c:red] 失敗 [/c]
  6. miniconda (デフォルトの3.10) に手動でパッケージをインストールしてみる。
     インストールに失敗しましたが、失敗する原因が表示されていました。> [c:red] 失敗 [/c]


原因の特定と解決策

手動でパッケージのインストールをした際に「CondaToSNonInteractiveError: Terms of Service have not been accepted for the following channels.」といった感じのエラーメッセージが出ていました。

ざっくり言うと「リポジトリの利用規約に同意していないから利用できないぜ」と言っておられるようです。

ネットで調べてみると、2025年7月15日ごろに anaconda.com の利用規約が変わったことで、このメッセ―が出るようになった模様。

miniconda を使った自動インストール関連で広範囲に影響が出ている (らしい) との事。

解決策はいろいろあるようですが、エンドユーザーとして簡単にできる対処法は環境変数に 「CONDA_PLUGINS_AUTO_ACCEPT_TOS」という変数を追加して、値を「yes」にする というもの。

早速、環境変数を設定して miniconda に手動で git パッケージを install してみたところ正常に完了しました。

pinokio_issue02

その後、通常通り pinokio からインストールできるようになり、ワークフレームの起動も問題なくできるようになりました。




分かってみれば単純な話で、pinokio 側でもインストール時に同じような log が流れてたんですが、注意してみてなかったのと流れが速すぎたせいで見逃してました(;・∀・)

pinokio 環境下の miniconda をアンインストールしなければ (当分は) 気付かなかった問題でした。

なんにせよ解決できたのでよし!( ゚Д゚)

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